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音楽室にタブレットを導入する①〜研究立案から端末導入まで〜

更新日:2020年4月30日


音楽の授業専用のタブレット端末が欲しい

気がつけば、音楽の授業におけるICT機器の効果的な活用方法について、各方面で論じることが多くなってきました。タブレットの授業での活用方法を紹介するにあたり、「教師」がタブレットを持ち、授業で活用することの有用性はだいぶ検証が進み、また他の先生方の実践も増えてきましたので、それらを参考にお話しすることができるのですが、「児童」がタブレットを持って授業で活用することについては、日本国内ではまだまだ実践が乏しく、自分もなかなか実現できないことでしたので、今後の私がすべきライフワークの一つに、と考えるようになりました。

 今までもタブレットを活用した授業は何度か行ってきたのですが、使うタブレットについては、借り物であったり、学校のものであっても遠く離れたパソコン室保管の共用のもので、その都度準備しなければならなかったりと、使い勝手があまりよくありませんでした。音楽の授業での活用の実践研究をもっと積極的かつ効率的に進めたい、と考えた時、やはり音楽室で専用に使えるタブレットを用意したい、と思うようになったのです。

 最初は、自腹を切ることも考えましたが、ある先生にご相談したところ、このような研究者の願いに応えてくれる(!)国の機関があることを知り、助成の申請をしてみました。すると・・なんと助成をいただけることになったのです。

日本学術振興会の「科研費」奨励研究に内定

文部科学省が所管する独立行政法人、日本学術振興会は、国内の学術を振興する研究者に対し幅広く助成を行っており、それらは「科学技術研究費」(通称:科研費)と呼ばれています。学術研究というと、大学などの高等教育機関を対象と考えられがちなのですが、実は小・中学校などの教員を対象とした「奨励研究」という部門も存在するのです。私はこの部門に応募してみたのですが、多くの方にご協力やアドバイスを賜りながら、何とか内定を頂戴することができました。応募に当たり設定した研究テーマはズバリ「小学校音楽科におけるタブレット端末を活用した指導法の開発」です。今年度数回にわたり、タブレット端末を使った授業研究を通し、その有用性を模索していきます。

研究費でiPadを9台購入!!

せっかく頂いた研究費ですから、有効に活用したいと思い、あれこれ考えた結果、ほぼ全額をあててタブレット端末(iPad)をそろえることにしました。

さすがにクラス全員分という訳にはいかなかったのですが、タブレット端末を用いてグループ活動をする際に適当な数(3〜4人に1台)ということで、9台+手持ちの1台=10台で運用できることになりました。iPadは最近値段が安くなって買いやすくなった普通のiPad。32GBですが、授業で児童が使う分には十分です。やったー!!

なぜ「iPad」を選んだのか

この答えは明白で、ズバリ使い勝手がいいからです。タブレットは、OSによって使い勝手やできることがだいぶ異なるのですが、公教育ではいわゆる「大人の事情」により、子供にとって本当に使い勝手がよいものがあてがわれているとはいえません。

 研究するにあたっては、子供たちにとって本当に使い勝手がよいものは何なのか、理想的な機能やアプリケーションはどのようなものなのかをつきとめ、それを広く伝えることで、行政の先生方がタブレットを採用する際の参考にしてもらえればと考えています。「予算」だけで選んでしまい、結局使えない、という税金の無駄遣いにならないために…。

次回は、音楽室で効果的かつ安全にタブレット端末を運用するために考えたノウハウについてご紹介します。

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