<主な学習活動>
どの位置に各主題が配置されれば、究極のメロディーMを際立出せることができるか演奏順序を個人(2時間目)、グループ(3時間目)で考え、作曲者の意図にせまる。
<学習の流れ(2時間目)>
①前時に聴いた究極のメロディー「M」は、イギリスの作曲家、G.ホルストが作曲した管弦楽組曲『惑星』の中の「木星」という曲の一部分であることを伝える。
②ホルストがこの究極のメロディーを「木星」という曲全体の中で特に浮き立たせるために、他の部分(主題)をどのように配列したのかを、個人で考えることを伝える。
(タブレット端末活用…1人に1台のWindows)
(今回も全員がタブレットにイヤフォンをつけ、個人で鑑賞する)
(使用するアプリ→自作htmlファイル…青字をクリックすると各部分の音楽が再生される。)
(使用したワークシート)
(音源のみでは情報が乏しいので、ヒントを提示した)
・決めた並び方について、なぜそのように並べたのか、それぞれの部分の特徴や類似点、つながり方などから、理由を書き留めておく。
<学習の流れ(3時間目)>
①学習を想起し、個人での聴取活動での気づきを発表する。
(色の違いの意味は?それぞれの主題の特徴は?)
④グループごとに各主題の演奏順序を考える。
(タブレット端末活用…グループに1台のiPad)
・まず、個人の考えを理由を明確にしながら、1人ずつ発表する。
・グループ全員で同時に各主題を聴きながら意見を交換する。
・iPadのアプリ「ロイロノート」の各主題カードを自由に動かしてつなぎ合わせ、演奏を聴いて確かめながら、正しいと思う演奏順序を導き出す。
(音楽を聴きながら各パネルの配列について、グループ全員から活発な意見交換が行われる。)
(ロイロノートの画面は個人での活動と同じようにし、各パネルを自由に連結できるようにする…映像参照)
⑤各グループごとに考えた演奏順序を黒板に掲示する。その後、なぜそのように並べたのか、理由を発表する。
⑥演奏映像でホルストが考えた原曲を聴く。
(演奏順が同じだと各グループから歓声があがる。正解したのは1チームのみ。)
(正解することだけなく、知恵を出し合いながら正解を導き出そうとしたことに意味があることを話す。)
⑦個に戻り、作曲者の思いや意図、友達の考えに触れて思った事などを記録する。
<授業を終えて>
タブレット端末を活用したことにより、グループで音楽を同時に鑑賞しながら、話し合い活動を展開する、という流れを容易につくり出すことができました。今までもそのようなグループによる鑑賞活動が無いわけではありませんでしたが、機器の操作に手間取ったり、互いのグループの音が邪魔になって聴き取りづらかったりして、難しい活動でもありました。今回タブレットのパネルの操作だけでグループ全員が簡単に音楽を聴いたり、つなぎ合わせてより大きな音楽の流れを考えたりするなどの活動を通し、タブレット端末の、鑑賞授業における有用性を再確認することができました。
また、今回のグループでの鑑賞活動で欠かせなかったものに、「イヤホンスプリッター(別ページに説明あり)」の存在があります。¥500程度で買えるこのアイテムは、今後も学校の音楽の授業に、大きな変革をもたらし続けてくれるでしょう。
また、「ロイロノート」のような汎用的なアプリを活用し、音楽を聴きながら楽曲の構成を考えるという、タブレットだからできる新たな鑑賞方法により、グループ内での個々の自然な発話を促し、コミュニケーションを加速させ、対話的な学びに結びついていたことを実感することができました。今回は音源などの加工や、各タブレットへのインストールなどをすべて一人で行ったので相当手間がかかりましたが、今後このような活動を容易に実現できる新たなアプリが開発されることによって、より多くの子ども達がこのような鑑賞方法を経験することができることを期待したいです。